さてそろそろ寝ようかと部屋に戻ったリクオは、そこで止まっていた

な、なななナニコレ!?

目を見開き驚くリクオの目の前には、見た事もない抱き枕があった



リクオは固まっていた
目の前に置かれたコレをどうすればよいのか判らず、先程から布団の上で正座したまま顔を真っ赤にさせて固まっていた

コレ――氷麗の絵が描かれている抱き枕――は、あろう事かとっても恥ずかしい格好をしていた

リクオの目の前にあるつららの絵は、護衛をしているときに見る制服姿のつららなのだが
何故かこう、胸元や太ももの辺りが、その……え、えっちな感じで描かれているのだ

「な、なんでこんな風にしたんだろう」

ぷるんと今にも揺れそうなその柔らかそうなバストや
ずらしたら見えるんじゃないかと思えるようなスカートの際どいラインに

リクオは目のやり場に困ってしまい視線を彷徨わせた
そして、このまま見ていたら変になってしまいそうだと、枕を裏返したのだが……



ぶっっ!!



抑えた手の平の隙間から鮮血が飛び散った

な、なななな……

リクオは抱き枕を凝視したまま、また固まってしまった
裏返したそこには
またしてもつららの絵が描いてあった
しかも今度は雪女の姿だ
さらに胸や太ももが大きく肌蹴ているではないか!
「お、表の絵より、か、過激……」
リクオはボタボタと落ちる鼻血と共にそんな感想を零した

ああ、つららの胸が、太ももが

迫ってくる〜〜〜〜〜

リクオは目の前の絵の少女と同じような目になりながら胸中で叫んだ
そして――

どろん

リクオは夜の姿になった
微動だにせずつらら枕を凝視する夜リクオ
いつの間にか止まった鼻血に気づくと、机に置かれていたティッシュで手についた鼻血を拭き取った
そしてまた布団の上に戻ると、今度は胡坐を掻いて抱き枕の前に座った
暫しジッとつらら枕を眺める
そして何を思ったのか抱き枕をむんずと掴むと

むぎゅ

抱きしめてみた
しかも目は開いたまま
そしてそのリクオの視線の先にはつららの肌蹴た胸の絵がある
リクオは暫しの間その枕を何度も抱き直し、まるで抱き心地を確かめているような仕草を繰り返していたのだが
「ふむ……」
ようやく納得がいったのか、リクオは抱き枕から離れるとその枕を布団の横へと置いた
そして今度はリクオもごろりと寝転ぶと枕を抱き寄せる

ぱふっ

つららの胸元――絵だが――の辺りに顔を埋め目を閉じると、ほおっと安堵の息を吐いた
するとそこへ、タイミングよくつららがやって来た

「リクオ様〜、今日の晩酌はどうしますか……はわわっ!?」

つららはいつものようにルンルン気分で主の様子を伺いに来たのだが
勢い良く開けた襖の前で奇声を上げると固まってしまったのだった
つららの目の前――
己が敷いた布団の上に、尊敬してやまない主と

自分の姿が描かれた抱き枕が一つ

あろうことか己のあられもない姿を描かれたその枕に主が抱きついているではないか
信じられない光景につららは顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせていた
そして――

「そ、それはなんですか〜〜!?」

羞恥と困惑と怒りの入り混じった声が部屋に響く



「抱き枕」



その後に響いた声は、閃きと意地悪と欲望の入り混じった静かなものだった



さて、本物の抱き心地はどうかな?





『抱き枕』
男の願望を目一杯詰め込んだ夢のような寝具




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