〜微笑ましく〜



心地よい暖かさの午後。

部活がなく、いつもより早く帰ってきたリクオは早々に宿題を終わせていた。

何もせずリクオはただのんびりとした時間を過ごしていた。

しかし、ただ時間が過ぎていくというのも寂しいもので・・・



(う〜ん・・・ひまだ!)



しかもいつも賑やかな部活のメンバーも本家の者も出かけたり寝ている者がほとんどで後は毛倡妓などの台所係。

また、小妖怪達が小さな宴会を開いている状態だった。

何となく家をぶらぶらしようと思い、リクオは家をぐるぐると回っていた。

広い奴良家。

ぽかぽかと暖かい



(そういえば、つららは何処なんだろ・・・?)



つららの姿が見あたらなかった。



(どこかにいるのかな?)



そんな事を考えながら家を歩く。

そして、家の縁側まで来た。

そこは午後の暖かい陽差しが照り、眠気を誘うような柔らかい場所だった。

さらに、リクオはそこに見慣れた人物を見つけた。



(あ!)



(何処に行ったかと思ったら。こんな所にいたのか・・・)



リクオが見つけたのはつらら。

縁側で気持ちよさそうに寝ていた。

つららはとても気持ちよさそうに眠っていた。

その可愛らしくも愛らしい姿にリクオは思わず微笑む。



(気持ちよさそうに寝てるな〜)



と思っているとリクオも眠たくなってきてしまった。

そして、リクオも意識を手放し眠りについた。







****************







あれから数時間が経った。

太陽も傾きあたりは綺麗な夕焼けが見られるようになっていた。

リクオ達の寝ている所に一つの影が出来た。

それは・・・毛倡妓だった。



(もう・・・つららったら何処に行ったのかしら・・・?)



そして、毛倡妓はつらら達を見つける。



(まあ!フフフ・・・)



なぜ毛倡妓は笑ったか。

リクオはつららと共に寝てしまった。

そして、リクオの左手とつららの右手が微妙に重なり合い、軽く手を握っているというとても微笑ましい光景がそこにあった。



(そっとしておいてあげましょうか。)



毛倡妓は一枚の毛布をつららとリクオに被せたのだった。



(フフ・・・)



同じ毛布で寝ているつららとリクオを見て微笑みながら毛倡妓は去っていった。

そして・・・



先に起きたつららがなぜか隣でリクオが寝ていることに心底驚くのはその30分ほど後の話。


[戻る] [頂戴トップ] [次へ]