差し出された盃に無言のまま酒を注ぎ足し
注がれた酒を視線を逸らさずくいっと飲み干す
そんなやり取りを先程から何度も繰り返していた


視線が痛いです・・・・


つららは先程から頬を染めながら俯きがちにリクオに酌をしていた
しかもこの時間には珍しく、つららは制服姿のままであった
淡いクリーム色のセーターの袖から少しだけ出している白く細い手で燗を持ち
膝上20cmの際どいミニスカートから覗くハリのある太腿は、今や付け根の辺りまで晒されている
崩した姿勢で座るつららのその姿は、月の光を浴びて何とも色っぽく艶かしい色気を放っていた
それを肴に月見酒を楽しんでいる筈のリクオといえば


月には目もくれず、恥ずかしそうに俯くつららの姿から一分たりとも視線を外さず酒を呷っていた





事の発端は、夜のリクオの我儘から始まった
いつものように食後の酒を所望してきた主は、あろう事かつららに制服姿で酌をしろと言ってきたのだ
「昼の俺ばかりが見ているのは不公平だ、夜の俺も主と言うのなら俺にも見せろ!」と、なんとも判りやすい独占欲な発言をしてきたのだった
主の命令には背けず、つららはリクオに言われるがまま制服を身に着けると、恥ずかしさを堪えながら酌をした


似合うじゃねぇか


滅多に見れないつららの学生服姿に自然と頬も緩んでしまう
にやりと不適な笑みを零すリクオに、つららは益々もって恥ずかしさが募り、さらに頬を赤くして俯いてしまった
「つらら」
ん、と盃をつららの前に差し出すと慌てたように酒を注ぐ
頬を染めぎこちない手つきで酌をする初々しい姿と、見慣れないその新鮮な姿にリクオの理性が揺らぎ始める
いつまでも見ていたいという願望と、一枚一枚脱がせてみたいという欲求がせめぎ合う
顔色一つ変えずに内心で葛藤するリクオの事など気づきもしないつららは、羞恥に熱くなった体を冷ますべく悩ましげに溜息を零した
途端、ぷつりとリクオの中で何かが切れる音がした
その時、ちょうど酒が切れたと徐に立ち上がろうとしたつららの腕を、リクオが突然掴んだかと思うと自身の方へと引き寄せた
不安定な位置で引っ張られたつららはバランスを取れず、そのままぽすんとリクオの懐へと倒れこんでしまった
慌てて起き上がろうとすると、がしりと腰を捕らえられ先程よりも強い力で懐の中へと戻された


「リ、リリリリクオ様!!」
つららは熟した果実のように顔を真っ赤にさせると、慌てて声を上げた
その途端するり、と節くれだった長い指がつららの太腿を滑るように撫でた
「ひゃん」
くすぐったい様なその感触に堪らず声が上がる
「イイ声出すじゃねえか」
つららの頭の上でリクオの嬉しそうな声が聞こえてきた
更にリクオはつららの太腿を撫で回す
「あ、ダメです・・・」
つららは慌ててリクオの手を小さな自身の手で押さえ込もうとするが、その抵抗にもリクオは構わず瑞々しい柔肌を堪能するかの様に撫で回し続けた
その度に、背筋を這う様なぞくぞくした感覚に、つららはくぐもった声を漏らしながら耐えた
「つらら」
耳元でリクオの熱い吐息がかかる
耳にかかるリクオの声と熱い息に、つららはピクリと体を震わせた
何ともいえない感覚に、つららは恥ずかしくなりきゅっとリクオの着流しを握り締める
「リクオ様・・・」
恐る恐る見上げてきたつららの顔は――


凶悪だった


ふるふると震える体は捨てられた子猫のようで
瞳に溜めた溢れんばかりの涙は月明かりに照らされて美しく輝き
羞恥に染まる頬と唇はまるで誘っているかのようにリクオの目の前で揺れていた


思わず喰らいつきたくなった衝動に、リクオは忠実に従った
「ん、んふ・・・」
角度を変えて啄ばむ唇からは甘い吐息が漏れ
やわやわと掌で撫でる太腿はピクンと可愛らしい反応を示し
つららの体からは羞恥に頬が染まる度に、甘い香りを漂わせていた
頭の奥が痺れた様に麻痺し始める
ぴちゃぴちゃと厭らしい水音が響くたび、リクオの理性は霞のように薄れていった
「あ・・・は・・・」
セーターの上から柔らかい膨らみを揉みしだくと、つららの口から甘い声が漏れた
理性を手放したリクオは更に大胆に手を動かし始める
制服の中に手を忍ばせて直にそこを責めれば、つららの口からまたしても甘い嬌声が上がった
膝の上に抱きかかえていたはずのつららの体は、いつの間にか畳の上に横たわらされ、リクオに組み敷かれる形になっていた
月に照らされた薄暗いその部屋で、互いに求め合い確認し合う音だけが響いていた


ここから始まる二人の秘め事




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