ご注意!!
こちらのお話は百物語編を読んで二人のヒロイン達の心境を私が勝手に想像してしまったものです。
以下の内容は一個人としての解釈としてお受け取りください。
苦手な方はお引き返し下さいませ。
大丈夫な方は下へスクロールしてください。
























あの人は優しい人だから
だから……



あの日
街が突然妖怪に襲われ、偶然そこに居合わせてしまった私はその戦いに巻き込まれてしまった
それを助けてくれたのが、あの方……
ううん、リクオ君だった
最初は怖くて怖くて、何が起こっているのか訳がわからなくて
でも
彼に守られながら付いて行くうちに

私は気づいてしまった

嗚呼、彼女は彼を守れる人なんだって

彼女は何度もリクオ君を助けていた
リクオ君が闘っているとき、背後に迫った敵を蹴散らし
彼女の操る氷で敵を足止めし、彼の進む道を作っていた

あの鏡斎とかいう男の人にリクオ君が殺されかけたときも
彼女は一人であの男を見つけ出し、彼を救った

だからわかってしまった

彼女……及川さんは

リクオ君の盾となり、刃となり、共に闘える(ひと)なんだって

羨ましいと思った
私にもそんな力があったらって、正直思った
でも
あの時
リクオ君の屋敷で
あの屋根の上で見た二人はとっても強くって
綺麗で
思わず見惚れてしまった
同時になんだか嬉しかった

嗚呼、彼女がいれば大丈夫なんだって安心した

私が強くなくても、闘えなくても
彼女がいてくれるから
彼女がいてくれたから

だからリクオ君は乗り越えられたんだねって

あの人は優しい人だから
あんな事があっても、彼は人を助け続けるのだろう
これからも、もっともっと危険な事に出くわすだろう
でも、大丈夫だよね
彼女がいるから
私には出来ないけど
ちょっぴり羨ましいけど
でも……

そんなリクオ君の側にいてくれる(ひと)が貴女で良かった








あの方は優しい人だから
だから……



あの日
浮世絵町が百物語組に襲われた、あの日
不覚にもリクオ様の正体が人間達にバレてしまった
あの圓潮とかいう妖怪が広めた件の噂に、鬼ごっこ
事態は最悪だった

しかもリクオ様の正体を、彼女にも知られてしまった
私は不安で堪らなかった
しかも、リクオ様ときたら彼女をあの戦いの中、連れ回られるし
はっきり言って足手まといだと思っていた
でも……
彼女を連れて行くうちに

私は気づいてしまった

嗚呼、彼女はあの方を理解(わか)ってくれる人なんだって

リクオ様が敵と闘っておられる時も、人を助けている時も
彼女はその後ろで、ずっとリクオ様の全てを見ていてくれた

途中で合流した清次君や鳥居さん巻さん達にリクオ様のことを話してくれて
そのお陰でみんなはリクオ様を信じてくれたのだ

だからわかってしまった

彼女……家長さんは

リクオ様を信じて待っていてくれる(ひと)なんだって

羨ましいと思った
私もそんな風になれたらって、正直思った
でも
あの時
山ン本を倒した後
彼女の言葉を聞いてちょっぴり動揺したけど
同時になんだか嬉しかった

嗚呼、彼女がいれば大丈夫なんだって安心した

私が人にはなれなくとも、待つことが出来なくとも
彼女がいてくれるから
彼女がいてくれたから

だからリクオ様は乗り越えられたんだって

あの人は優しい人だから
あんな事があっても、あの方は人を助け続けるのだろう
これからも、もっともっと危険な事に出くわすだろう
でも、大丈夫ですよね
彼女がいるから
私には出来ないけど
ちょっぴり羨ましいけど
でも……

そんなリクオ様の側にいてくれる(ひと)が貴女で良かった





でも願わくば貴方の隣にいるのは……



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