ご注意:こちらの作品は「若つら牛頭」のお話です。リクつら派、牛頭つら派の方はご注意下さい。三人がくんずほぐれつな状態になっておりますので、「そんなのイヤ〜!」「見たくも無い!」というお方は速やかにお引き返し下さいませ。大丈夫な方は下へどうぞ。



















頭がイタイ
目が覚めると頭の中がガンガンと響いていた
その痛みに顔を顰めながらむくりと起き上がる

ええ〜っと昨日は確か……





妖怪任侠奴良組屋敷
今日も今日とて飲めや唄えやのドンチャン騒ぎ
今日の酒の肴は『月見酒』
定番中の定番なれど、屋敷の妖怪達は「それ歌え」「やれ踊れ」と相も変わらず大いに騒ぎ飲んだくれていた

その喧騒から少し離れた上座では、世にも珍しい組み合わせがあった

リクオと牛頭丸と雪女

本来天敵とも言える牛頭丸と雪女がリクオを挟む形で一緒に酒を飲んでいた
「アンタまだ居るの?」
「あぁ?お前こそなんでここに居るんだよ?」
「私はリクオ様のお酌をしてるのよ!そっちこそ用が済んだのなら帰ればいいじゃない!」
「おいおい二人共」

昔と変わらず牛頭丸とつららは相変わらず犬猿の仲らしい
何年経っても顔を合わせる度に罵り合う始末
そんな二人に挟まれたリクオは冷や汗を流しながら睨み合う二人を窘めていた
睨み合う二人を宥めながら、こんな事なら無理に引き止めなければ良かったとリクオはこっそりと溜息を零した

たまたま牛鬼の遣いで、たまたま宴会の最中に現れた牛頭丸を、たまたまそこに居たリクオが誘っただけなのだが
そこへたまたま酌をしに来たつららと鉢合わせになり、たまたま喧嘩が始まったという訳だった

その二人の間に挟まれたリクオは堪ったものではない

仲良く飲めというリクオの命令も虚しく二人は氷点下の言い合いを繰り返していた
そんな二人にやれやれと溜息を零しながら、リクオは旨くなくなった酒をちびりちびりと飲むしかなかった

「さあ、リクオ様行きましょう!」

暫くの間、溜息と共に酒を呷っていたリクオの耳に、つららの意気揚々とした声が聞こえて来た
「は?」
突然掛けられたそんな言葉にリクオは素っ頓狂な声を上げる
見上げれば立ち上がったつららと牛頭丸がこちらを見下ろしていた
「何処へ?」
と訝しげに首を傾げながら聞いたリクオは、この後聞かなければ良かったと後悔するのであった



「んで、やんのか本当に?」
リクオは移動した奥座敷の真ん中にどっかと座った二人をジト目で見ながら確認の為に聞いてみた
もちろん二人の返事は是で
力強く頷く二人にリクオは盛大な溜息を吐いた
向かい合って座る二人の目の前には酒の入った一升瓶が数十本並んでいる
しかもその横には大きな杯が二つ
その二人を見守るようにリクオは二人の側に腰を下ろしていた
二人の話では、なんでも自分の事でこうなってしまったらしい

「大将の横で酌してりゃ側近頭って言えるんだから気楽でいいよな〜」
という牛頭丸の冷やかしにつららが目くじらを立てて怒ったのは言うまでも無く
「何よ!ちびりちびり飲んじゃって、牛鬼組の組長が聞いて呆れるわ!あらそれとも、お下戸様だったのかしらぁ〜」
と、こちらも負けず劣らず口元を裾で隠しながら「悔しかったら勝負しなさい」などと挑発する
そんなこんなで、あれやこれやと言う間に『飲み比べ対決』が始まってしまったというわけだった
何をどうしたらこういう展開になってしまうのかさっぱり意味がわからないリクオはただ只、半眼で二人を見守るしかなかった
そして……

「いざ勝負!」
「望む所だ!!」

こうして二人の飲み比べ対決が始まってしまったのであった





「ちょっとお〜もっと飲みなさいよ〜〜」
「あ〜〜おらおらおめえも飲め飲め〜〜」

なんでこうなるんだ?

勝負から半時
既にべろんべろんに酔ったつららと牛頭丸にリクオは何故か迫られていた
「いや、お前らの勝負だろこれ?」
口元を引き攣らせながら後ろへと逃げるリクオ
酒の入った杯や一升瓶を持った二人はそんなリクオにじりじりと詰め寄って来る
とうとう壁際まで追いやられてしまったリクオに逃れる術は無く
「堅い事言うなよリクオ〜」
「そうですよリクオ様〜〜」

にやり

酔っ払った二人の笑顔が迫ってきた





「あっ あっ あっ あっ」

行灯の炎が揺らめく薄暗い部屋
障子に映った男女の重なり合う影
女は男の上に
男は女の下に
そして

もう一人の男がその女の背後から覆い被さるように重なっていた

「く、うぁ・・・・つらら、もうよせ!」
「あ、あん・・・い、嫌ですぅ・・・んあぁっ」
「おらおら、もう降参か?」
パンパンと鳴り響く肉と肉がぶつかり合う音に混じってそんな声が聞こえて来た

いつの間にやら始まった乱交
つららはリクオの上に跨り激しく腰を振り
リクオはつららに跨られ、更に中心を咥え込まれていた
そして牛頭丸はそんなリクオとつららを面白そうに見下ろしながら、つららの背後から突き上げていた

事の発端は牛頭丸の一言だった
「リクオお前、そのガタイ・・・・見かけ倒しなんじゃねえの?」
酒の回った牛頭丸がぽろっと零した一言
なんて事の無い悪戯心が生んだその一言に、リクオはもちろんその側近頭までもがムキになって返してきた
「そんなことない!見てみろ俺は成長してる!」
「そうよ牛頭丸!この均整の取れた肉体、もう立派な殿方よ!!」
そして、あれやこれやと言い合いを始める内にいつの間にか始まってしまった

「証拠を見せろ」と言った牛頭丸が引き金か
「リクオ様は隅々まで立派な殿方よ」と言ったつららが原因か
「なんなら試してみるか?」と不適な笑みを張り付けて言ったリクオが先か

まあ、なんにせよ始まってしまったのである
そして三人くんずほぐれず絡まり合い
快楽に没頭していったのであった



「あん、あん、あん」
そしてリクオに跨っていたつららはいつの間にか体位が逆転し
背後からリクオに攻め立てられていた
更につららの前には牛頭丸が立ちはだかり、そそり立つ自身をつららの咥内に埋め込んでいる
前から、後ろから、二人の男達に攻められつららの整った眉が歪む
「ん、んぶ……んうっ!!」
咥内に押し込められた怒棒が一層固く張り詰めた瞬間、つららは思わず目を瞠り苦しさに喉の奥で悲鳴を上げた
そして次の瞬間、つららの喉の奥の更に奥に熱い液体がほとばしった
思ったよりも勢いのあったそれに、つららは苦しそうに眉を寄せる
牛頭丸はその様子を満足そうに見下ろした後、つららの口から自身をずるりと引き抜いた
「けほっ、けほっ……」
暫くの間咽ていると、背後から強い突きが繰り出された
「んあっ!」
背後に回っていたリクオがその律動を再会させたのだ
牛頭丸とつららの遣り取りを見ていたリクオはにやりと口角を上げると
「牛頭丸ばっかりずるいぜ」
と虚ろな瞳のまま囁いてきた
「んあぁ、リクオ様ぁ」
恨めしそうな視線を寄越しながらつららが背後を振り返る
その瞳もトロンと溶け焦点が合っていなかった
「こっちもだ」
後ろを振り返っていたつららの顎を掴みこちらへ向けながら牛頭丸が言う
彼の瞳もまた眠そうに半分閉じた状態だ
そのままつららの唇を何度も啄ばみ始める

ちゅっ ちゅっ
グチュ グチュ

吸い付く音と
卑猥な水音

正常さを欠いた男女達は意識が途切れるまでお互いを貪り合うのだった





頭がイタイ
目が覚めると頭の中がガンガンと響いていた
その痛みに顔を顰めながらその人はむくりと起き上がる

ええ〜っと昨日は確か……







!!

ぼんやりと霞む頭で昨夜の事を思い出していたその人は、突然目を見開いて飛び起きた

「・・・・・」

そして自分が今居るこの場所の光景を見て更に目を瞠る

床に転がった酒瓶
乱雑に脱ぎ散らかされた衣服
そして・・・・

青褪めた男女が三人

散らかったその部屋の真ん中で
冷や汗を垂らしながらお互いの顔を見つめ合っていた



お酒はほどほどに♪



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