おまけ

「う、うう・・・ぐすっ」
「ちょ、あんた達泣くんじゃないわよ・・・ふえ」
「あんたこそ・・・・うぅ、でも良かった」
「ええ、良かったわねほんと」
「もう一時はどうなるかと思ったわよ」
「ええ、ほんとに」
「でも、良かったわね」
「ええ」
「そうね」
つららが無事想いを告げられた所をしっかりと見届けた女衆たちは、遠く離れた廊下の角で貰い泣きをしていた
感動だったわ〜、素敵だったわ〜と喜んでいた女衆だったが
暫くするとはた、とみな無言になった
その次の瞬間――

「忘れてたーーーーーーーーー!!」

「ちょっ、私達男達にまだチョコあげてないじゃない!」
「あーーーー私も!!」
「ちょっと、今年は気合入れて作ったのよ!はやく渡してこなきゃ!」
「そうよ、今年はつららに続いて男ゲットするのよ!」
「やだもう、こうしちゃいられない!!」
「行くわよみんな!!」

「おーーーーーーーー!!!」

そして、けたたましくも心優しい女衆たちは我先にと、貸元や他の男連中が待つ宴会場へと駆けて行った

今宵女の一大イベント
それは

バレンタイン

女の愛憎、思惑、誇りが入り混じり
この日にかけます女の意地
数打ちゃ当たる何事も
心を一つに声高々と
宣言するのは

バレンタインデーのお返しは3倍返し!!

ちゃんちゃん♪


[戻る]  [記念文トップ]  [次へ]