全六話(2/6)
どこ
ドコ
何処
ドコニイル?
ふと沸き起こる不安感
何かが足りないような
何か忘れているような
そう・・・・
心の部品をどこかに忘れてきたような
ココロの中心にぽっかり穴が開いたような
そんな感覚
サムイ
今は夏なのに
変だよ?
僕の体の芯から熱が失われていく
気温は汗ばむほどに熱いのに
ナンデ?
ぞくぞくとした寒気が這い上がってくる
足元がふわふわする
ココロの中心を恐怖という色が侵食していく
ハヤク ミツケナキャ
頭の中に急に浮かんだ言葉
そうだ
僕は
彼女を探さなきゃ
早く
はやく
ハヤク
「はあ、はあ、はあ」
走って走って
ようやく見つけたそのヒトは
僕を見るなり
「どうされました?リクオ様」
て言って驚いた顔をしていた
手に持っていた洗濯物を放り
パタパタと慌てて駆け寄ってくる
僕の元に駆け寄ってきた小さな体を
幼子が縋るように
両手を広げて抱きついた
「ど、どうしたのですか?」
彼女は顔を真っ赤にさせて
慌てていたけど
「ごめん、少しの間だけ」
て言って
彼女の肩に顔を埋めてしまった僕に
彼女は驚いていたけど
でもすぐに笑顔になって
こう言ってくれた
「心配いりませんよリクオ様、私が」
未来永劫お傍にいます
そんな彼女に僕のココロは
温かくなっていく
色を取り戻し始める
寒かった体も
ココロも
今はもう平気
だって
キミを見つけたから
冷たいはずのキミの体が
こんなにも暖かかったなんて
今初めて知ったよ
ココロに浮かんだソレの名は・・・・
安心
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