全六話(4/6)
僕は彼女を探す
恐怖からでもなく
不安からでもない
盲目的に彼女を探しているわけでもない
そう今は
目的がある
彼女を見つける理由が
彼女を探す意味が
ようやく見つけた答え
それはすごく簡単で
でもすごく見つけ辛くて
今まで見落としてしまっていたモノ
でもようやく手に入れたソレ
ようやく理解したソレ
ハヤク ハヤク
彼女に伝えたい
彼女に言いたい
僕の気持ち
僕の心
彼女はどんな顔をするのだろうか？
彼女は受け入れてくれるだろうか？
ちょっとだけ
コワイ
でも
伝えない事の方がもっと
怖い
また
誰かに攫われるかも知れない
もしかしたら
知らない奴に先を越されるかも知れない
ソンナノ イヤダ
なんて我儘で
強欲な心なんだと思う
なんて
素直なココロなんだろうと思う
あの事が無かったらきっと気づかなかったかも知れない
今も彼女は僕の隣にいるのが当たり前だと
勘違いしていたかも知れない
だから
ちょっとだけ
そう
ちょっとだけ
アイツに感謝しよう
あの
傲慢で
自分勝手で
残忍で
強い男に
土蜘蛛
僕は一度だけお前にこう言ってやる
気づかせてくれてありがとう
と
ああ
アイツの嘲る様な笑い声が聞こえてくるようだ
「良かったなぁ〜リクオよォ」
て
きっと巨大な煙管をふかしながら
「でも俺には関係ねえなぁ」
て
笑うんだろうさ
ああ
そんな事よりも
はやく彼女を見つけないと
このココロが張り裂けそうだよ
ようやく気づいたソレの名は・・・・
大切な人
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