[注意]

悲恋ではありませんが、途中リクオがいろんな人と付き合っているという設定があります。しかもみんな破局。所々に私の発作(ギャグ病)の産物ががちらほらとありますが基本暗い話傾向なので苦手な人はお引き返し下さい。(捏造多)

大丈夫な方は下へどうぞ↓











僕は後悔していた

なんで、気づかなかったんだろう

なんで、知らなかったんだろう

なんで、見ていなかったのだろう

後悔は先に立たずって言うけれど

これじゃまるで何も知らない赤子同然じゃないか



僕は何も気づかずにあの子と付き合っていた

僕は何も知らずにあの子と付き合ってしまった

僕は何も見ずにあの子と一緒になろうとした

僕は、ぼくは・・・・

なんて馬鹿だったんだ

いまさら気づいても遅いのかな?

いまさら知ってもダメなのかな?

いまさら見つめても振り向いてもらえないのかな?

ねえ・・・

教えてくれよ愛しいオマエ







私は見守っていられればそれで良かった筈だったのです

でも、この恋が実らないと知ったとき私は泣いてしまいました

苦しくて苦しくて

悲しくて悲しくて

このまま消えてしまいたい

そう思ったことは何度もありました

アナタが私の知っている人と付き合ったとき

アナタが私の知らない人と付き合ったとき

アナタが私の知らない所で伴侶を見つけていたとき



何度も何度も



でも、自ら命を絶つことはできませんでした

だって私は約束しましたから

『未来永劫お守りします』と・・・・

そして私は今日もその誓いを守るべくアナタをそっと見守っているのです







僕は最初、カナちゃんと付き合った

彼女は幼馴染で、僕の人間としての象徴で

ずっと昔、僕の背中を押してくれた唯一の女の子

だからだろうか、彼女から告白されたとき、僕は喜んで頷いていた

そして僕達は恋人同士になった

最初は良かった

初めての恋愛に僕達は浮かれていた

心の底から喜び、慣れないながらも一生懸命相手を想った

でも・・・・

僕達は一年もしない内に別れてしまった

原因はアレだ



僕ガ彼女ヲ信ジテアゲラレナカッタカラ



僕は最後まで自分の正体を明かせなかった

僕の正体

妖怪の総大将だってことを

そして、彼女がずっと恋焦がれていたあの主だったって事を

彼女は僕と付き合っている時も、ずっと妖怪の主のことを想っていた

彼女は僕には忘れたと言っていたが、事ある毎に彼に関連する事があると目の色を変えていたから良く分った

妖怪の主は実は僕の事なんだよって言ってあげられれば良かった

でも・・・・



できなかった



恐かったんだ

彼女が僕達を比べる事が

あまりにも違う外見と内面に彼女はきっと僕達を同一人物としては見てくれない

僕は悟っていた

人間はあまりにもかけ離れたモノを同一としては見てくれないって



そして唯一、僕の正体を知っている花開院さんでさえも、僕達を同一として見てはいなかった

時折見せる妖怪に対しての負の念

妖怪の僕と人間の僕が同一人物だと頭では判っているのだろう

けれど、彼女の心がそれを否定しているのがわかっていた

僕と彼を別の者として捉えていることが、彼女達の視線や言葉の端々に滲み出ていた

そう僕は確信していた

そんな想いを抱えていた僕は

ある日とうとうその不満を、カナちゃんにぶつけてしまった

「キミは彼のことを忘れられないんだね」って・・・・

彼女は傷ついた顔をして「違うよ」て何度も否定していた

リクオ君だけ、リクオ君だけだよって言うキミを置いて僕は逃げた

「ごめんカナちゃん、信じられない」

僕の言った言葉に彼女は酷く傷ついた顔をして俯いていた

そして背を向けて去って行く僕のことを、彼女は一度も引き止めてはくれなかった



自業自得だ

僕は彼女を非難する資格なんてないのに

僕は彼女にずっと嘘をついていたんだから

僕は・・・僕は・・・・

自分の正体を知られる事を

比べられる事を恐れて彼女から逃げてしまったのだ


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