結局、暴れるだけ暴れてすっきりした牛鬼組の二人は、ケロリとした顔をして帰っていった

「またおいでください」

「またおいでくんなまし」

門を出て行く二人を幼女達は深々と頭を下げて見送る

見送る幼女達の手の中には持ち切れないほどの飴があった

もちろん帰っていった若頭が、頬を染めながらそっぽを向いて手渡していったものである



そんな微笑ましいやりとりを、少し離れた場所で見ていたリクオは、またしても複雑な表情を作りながら溜息を零していたのであった



そしてそれから3日後

ようやく鴆から約束の薬が届いた

受け取った三羽烏の話では、鴆はいつもよりも三倍やつれた姿でしかも吐血しまくったのか、その顔色は青を通り越して真っ白になっていたとかいなかったとか

兎にも角にも薬は届いた

リクオはこれでやっと二人が元に戻ると心底喜んだのだった

そして、隣の部屋で静かに昼寝をしている幼女達の元へと急いだ

しかし――



う……



リクオは思わず怯んだ

手に入れた解毒剤の小瓶を持つ手がプルプルと震える

リクオの目の前には――



幸せそうに眠る二人の童女



て……天使!!



リクオの顔から鮮血が飛び散った

鼻を押さえた手の隙間からボタボタと赤い液が流れ出ていく

「どうしましたリクオ様!?」

そこへ、リクオと同じように薬を待ち侘びていたもう一人の男が痺れを切らして声をかけてきた

「リクオ様が飲ませないのなら俺がやります」

なかなか動こうとしない主から薬をもぎ取ると、痺れを切らせた首無がそう言いながら前へ出た

その瞬間――



か、可愛い!!



゚★。.:*:・'゚☆。. ほわあぁぁぁぁぁぁぁん ゚★。.:*:・'゚☆。.



「ダメだ、僕にはできない」

「すみませんリクオ様、俺にも無理です」



二人は顔の真ん中から大量の血を流し、目の前でスヤスヤと眠り続ける幼女を見ながらお互い首を左右に振り続けるのであった



ここに二人、幼女スキ〜誕生?



強制終了(笑)


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