「う、けほっ・・・けほっ」
「たく・・・・」
未だ残る下半身の甘いだるさを感じながらリクオは目の前で咽るつららに嘆息する
喉の奥に思い切りリクオの精を流し込まれたつららは、案の定むせてしまったらしい
苦しそうに眉間に皺を寄せながら何度も咳き込んでいた
「大丈夫か?」
「う・・・すみません」
リクオはやれやれと苦笑するとつららの背中を擦ってやる
つららは申し訳なさそうにリクオを見上げたが
次の瞬間、かあぁと顔を真っ赤にさせると下を向いてしまった
その仕草に、りくおは「ははあ〜ん」としたり顔を作る
そして
「あんな事やったのに照れてんのか?」
ニヤニヤとつららの耳元でそう囁いた
「!!」
その途端、更につららの顔は真っ赤に熱を帯びる
しゅう〜と湯気を上げてあわあわと狼狽しだしたつららに、リクオはわざと盛大な溜息を吐くとこんな事を告白してきた
「初めてだったのにな」
「へ?」
「ん?意外か?俺は他の女とこんなことしたこと無いぜ」
ニヤニヤと楽しそうに言ってくる主につららは「嘘です」と激しく首を振ってきた
「嘘なもんか、だったら調べてみろよ」
自信満々に言うリクオにつららの顔色が変わっていった
「そんな、そんな・・・・だってあんなに余裕たっぷりに・・・・」
「何言ってんだ?それより」
リクオは一旦言葉を切ると、ぐいっとつららの腕を引いて己の腕の中に閉じ込めた
「ひえっ」
「あんなの何処で覚えてきた?ん?」
嫉妬半分悔しさ半分、リクオは内心のヤキモチをつららには気づかれないように聞いてみた
そう、リクオはつららの行動が解せなかった
良い思いはさせてもらったが
それはそれ、これはこれ
意中の相手が百戦錬磨、しかも己の知らない所で既に経験済みだったという事実は結構こたえるものがある
それがこの純粋無垢で汚れの無い女にしか見えなかった側近ならば尚更だ
リクオは嫉妬の嵐に荒れ狂う心中をそっと隠しながらつららに顔を近づけた
「言えよ、相手は誰だ?」
「い、いえそんな・・・私」
有無を言わさぬリクオのその視線に、つららは小さくなって首を横に振った
「ん?」
「わ、私・・・その、まだしたことは」
ありません
その言葉にリクオはちょっと所ではなく驚いた
たまげた、と目を瞠りつららを見下ろす
「してないって・・・まさかまだか?」
「は、はい」
恐る恐る見上げながらこくんと頷いてきたつららに
リクオは己の顔を掌で覆って溜息を吐いた
経験無いって・・・あれでか?
つららの口の中は気持ちよかった
それはもうやばい位に
吸い付く唇に冷たい舌先
狭い咥内はリクオのモノをきゅうきゅうと締め上げ
それはもう・・・・病みつきになりそうだった
なのに
あれが初めてした事だったとは・・・・
リクオはこれから先の事を考えて不安になった
俺、こいつ無しじゃダメになるかも・・・・
リクオは浮かんだ未来予想図に潔く白旗を揚げた
さすがは魅了の雪女と言うべきか
普通の雪女とはどこか違ってつららはこういう事には疎いと思っていたが
やっぱり雪女なんだな
と一人勝手に納得したリクオだったが
しかし
このまま逝きっぱなしにされたのでは、男としての威信に関わる
と、リクオはつららを見た
突然、得物を狙う肉食獣のような目をしてきたリクオに、つららは「ひっ」と声を上げると後退った
「逃がすかよ」
「や、あの・・・」
「散々好きなようにしといてこれで終わり、な〜んてことは無いと思ってるよな?」
にこにこにこにこ
その爽やかなほど爽やかな、夜の姿には似合わない笑みを向けれらつららは青褪めた
「り、リクオ様?」
「つらら」
熱い視線でそう名を呼んだ瞬間、つららの体から力が抜けた
ぱたりと落ちた腕を見たリクオは嬉しそうに目を細める
「じゃ、いただきます」
リクオはそう囁きながらつららの体に覆いかぶさっていった
あの男の痕も、何もかも俺の印で消してやる
二人の長い長い夜が始まった・・・・
了
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