「あ、あの・・・リクオ様」
「ん、なんだ?」
「降ろして下さい」
「嫌だ」
つららを抱えたリクオが自室へ移動する間、既に3度目となったその問答につららは溜息を吐いた
そして何かに耐えるような表情をしながら頬を染め、リクオの胸元に顔を埋めてこう呟いた
「ほ、本当に行くのですか?」
「ああ」
「・・・・・」
「嫌かい?」
「!!」
徐に歩みを止め、つららを見下ろしながら静かな声で聞いてきたリクオの言葉に思わず顔を上げた
途端、射るような視線に思わず肩が跳ねた
その視線――
射抜くようなその視線の奥には確かに不安の色が見え隠れしていて
その探るような視線に耐えられず、またしてもつららは下を向いてしまった
そして、きゅっとリクオの服を握り締める
その様子を静かに見守っていたリクオは小さく息を吐くと、すっとつららを降ろした
「俺は無理矢理は好きじゃないんでね」
後はお前しだいだ、と視線だけでそう伝えるとリクオは静かにつららから一歩下がった
「!!」
その束縛の無い行為につららは一瞬体を強張らせる
二人の立つ廊下は丁度つららとリクオの自室の中間
引き返そうと思えば引き返せた
しかし
つららは意を決すると
きゅっ
少し躊躇いがちにリクオの着流しの袖を握った
「・・・・いいんだな?」
それまでつららの行動を静かに見守っていたリクオは、静かに口を開く
その言葉に頬を染め恥ずかしそうに俯いていたつららは
こくり
小さく、しかしはっきりと首を縦に振った
その途端、リクオは己の着物の袖を握っていたつららの手を取ると、その手を小脇に抱えるようにして己のたもとで隠しゆっくりと歩き始めた
リクオの大きく温かい手に手を引かれ
つららは頬を染めながらその後を付いて行った
「あ・・・ぅふん」
静かな薄暗いその部屋で、声を押し殺した甘い吐息が聞こえてくる
部屋には一枚の布団と
重なり合う二つの影
時折荒い息遣いと
甘い喘ぎだけが響く
静かな静かな閨事
「つらら」
その静かな空間に甘く熱を孕んだ囁きが響く
「あ・・・はぁ、リクオ様」
既に女の衣は肌蹴けられ華奢な肩が露わになっていた
その柔らかで滑らかな首筋に幾度も口付けを落としながら男の頭が徐々に下へと下降して行く
ちゅっちゅっ、という可愛らしい音とは正反対に男の手は大胆に厭らしくその柔肌を外気に晒していった
男の唇が女の一際柔らかい膨らみの間に辿り着いたとき
ちゅっ
その唇が一層強く吸い付いてきた
「ん・・・」
その甘やかな刺激につららは眉根を寄せて声を漏らす
その初々しい反応にリクオは知らず煽られていく
ちゅっちゅっと、何度も吸い付き紅い跡を残しながらさらにその先へと手を動かしていく
しゅるり
いつの間にか解かれ抜き取られた帯の拘束を失ったそれは、はらりと重力に従って下へと滑る
露わになったその胸元へ、リクオの大きな節くれだった手がそっと触れてきた
壊れ物を扱うようにやさしくやさしく包み込む
撫でるような優しい手つきは次第に強弱をつけてそこを揉みはじめた
捏ねるように、掬い上げるように、つららの乳房を揉みしだく
その絶妙な力加減につららの芯が段々と疼き始めてきた
くすぐったいようなその感覚につららは身をくねらせて反応する
くん
つららの双丘の中心を親指の腹で押し上げるように弾いた途端、つららはびくりと反応した
「あ・・・」
じんじんと痺れるような微かな感覚に知らず声が漏れる
その反応を見守っていたリクオは、執拗にそこを攻めだした
「ぁ・・・あふ・・・あん・・・あぁ」
擦れる感覚と体の中に響く痺れにたまらず喘ぎ声をあげる
鼻から抜けるようなその声にリクオもまた興奮しはじめてきた
手の愛撫だけでは飽き足らず、弾力をつけて揉みあげるその手が
双丘をこれでもかという程寄せ上げた時
つんと立ち上がるその中心を強く吸い上げた
途端びくびくと反応する躰
「・・・・・ッ!!」
声にならない声を上げてその刺激に耐えているつららが視界に写る
その反応を盗み見ながら繰り返すその行為
そして、双丘を揉みしだいていた片方の手をゆっくりと、徐々に下へと下降させ侵略を再開した
つららの甘い喘ぎに耳を傾けながら
その手はゆっくりとその柔らかな肌を辿っていく
着物を押し広げながら
腹に
へそに
その下に
ようやく辿り着いたそこへゆっくりと指を侵入させた
ぴくん
途端反応する正直な躰
愛撫をやめて彼女を見下ろせば
恥ずかしそうに頬を染める姿があった
ふっと自然に笑みが漏れる
その初々しい仕草に、己が彼女の体を開拓しているという事実を実感する
俺のものだと思える
一種の独占欲を満たすこの反応をリクオは密かに気に入っていた
十分にその姿を堪能した後
彼女を自分だけのものとするべく再び愛撫を再開した
俺だけを感じていればいい
俺だけを考えていればいい
それは執着
それは独占
それは愛情
男の本能ともいうべき感情に突き動かされながら
リクオもまた彼女に没頭していった
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