□至福の一時
6ページ/8ページ


休日の二人は、ほぼ一日中
共に居るのだという

それは朝のおはようの挨拶から
夜のおやすみの挨拶までらしい

朝、二人して起床し
(起きて広間に出て来るまで…何をしているかは不明らしい)
朝餉を一緒に食べ、
その後は互いの側に居るのだという

氷麗が家事をしている間は、
リクオは氷麗に着いて来ては
彼女の仕事っぷりを眺めていて、
彼女がドジをして転けそうになれば助ける
手伝わせてくれない氷麗に対して、
「また転けたらどうするの?」と言っては
ちゃっかり手伝うらしい

氷麗が家事をしていない時は常に側に居り、
宿題やら予習復習やらをする傍らで
編み物や繕い物をさせている
また、休憩時間にはのんびり
お茶をするという

お互い暇な時は、
デートに行ったり、散歩したり、
買い物に行ったりして、
たまに…清十字団の活動やら、出入りやらを
したりしている

また、総会時はお互いに忙しく
そんな暇は無いのだが、
リクオは常に氷麗の事を把握していると
側近達は教えてくれた
理由は、“恋敵”が多いから
だとリクオは言うらしいが、
氷麗は残念ながら認知していない

時々、一緒に昼寝もするらしく
仲睦まじく寄り添って寝ている姿を
多数目撃されている
昼寝について、元花魁は
「ああいうのは年取ってからするものよ」
と半ば呆れ気味だとか…

食品、日用品の買い物も
仲睦まじく一緒に行くらしく、
リクオはいつも重い荷物を持ち、
氷麗は軽い荷物しか持っていないらしい
(この事について、リクオは「氷麗に重い物を持たせる訳にはいかない」との事…)

朝、昼、夕餉の時の席は、
いつも隣同士なのだという
一度引き離したらしいが、
その後リクオが大変不機嫌になり、
氷麗が大変苦労したらしく…
以来、二人は隣同士になっている
たまに、意図せず引き離そうとすると
「あの時は、大変でした…」
と何処か遠い目をして振り返る
氷麗が居るのだとか…

一緒にお風呂に入る事もたまに有るのだと…
一部の妖怪達の目撃情報がある
一緒に入って何をするのか…
という疑問は取り敢えず放置である
(そんなの決まってるだろう!!と内心で突っ込む鳥居巻)

ただ、当人達に質問してみると
「私が熱い湯船にまだ入れませんから…」
と僅かに赤面しながら氷麗は言い、
「さぁ? …どうだろうね??」
と妖しく微笑みながらリクオは
言うのだという
真実は定かでは無い

晩酌はほぼ常であり、
それは…食前酒であったり、
化猫屋であったり、寝酒であったりとする
屋敷で呑む時は、垂れ桜が見える縁側で
いつも氷麗を隣に侍らせて、
リクオは楽しむのだという
夏は“冷や”で呑み、冬は“熱燗”だとか…
また、『“春は桜”、“夏は蛍”、“秋は月”、“冬は雪”』で楽しむのだとか…

酒の勢いを借りて(?)、押し倒される事も
しばしば有るのだ、と氷麗は言う
あと、呑まされる事があるとも言っていた

夜は大概、共に寝る事が多く、
昔は添い寝が多かったらしいが、
今は“大人な関係”が多いらしい
(“大人な関係”って…やっぱ、アッチ系?とませた鳥居巻は思った)
だが、別れて寝る事は少ないと
一部の側近達の証言である

邪魔をする奴や、覗いた奴には、
翌日…リクオが祢々切丸片手にやってくると
いう真しやかな噂が有り、
真相を確かめ様とすると…
「そんな事…有る訳無いじゃない((ニコッ」
ととびきりの笑顔(でも、何故か怖い)で
リクオは言うのだとか…

因みに、氷麗に聞いてみると
きょとんとしながら
「リクオ様がそんな事、しませんよ((ニコッ」
と純粋な笑顔で言うらしい
彼女が知っているかは不明であり、
側近達も事実かどうかは口を割らないという
[戻る] [頂戴トップ] [次へ]