リクオ8才



「きゃーーーー」

「あははは、雪女お前は相変わらずドジだな〜!」

ボクはいつものように家の妖怪達を罠に嵌める

今日もまた青田坊や黒田坊、もちろん雪女も嬉しいくらいに罠に引っかかっていた

散々悪戯をし尽くした後は、おじいちゃんの所へ行ってご飯を一緒に食べに行くんだ

そして、おじいちゃんの昔話を聞いて帰ってきたボクは、通りかかった部屋から声が聞こえてきたので思わず立ち止まって聞き耳を立てた

だって、その中から雪女の声が聞こえてきたから

なんだろうと、そっと襖を開けて覗いてみたら雪女と一緒に首無も居た

なんで?て驚いて見ていたら、どうやら雪女は怪我をしているみたいだった

ボクが作った罠に引っかかった時に腕を痛めたらしい

兄役でもある首無が心配そうな顔で雪女の腕に包帯を巻いている所だった



「痛っ!」

「ああ、すまん」

「ううん、いいのよいつもありがとう首無」

「いや、これくらいお安い御用さ、それよりもリクオ様の悪戯には毎回頭が痛いよ」

「そうね、毎日こうだと体がもたないかもね」



そう言って首無と雪女はふふ、とお互い顔を見合わせて笑い合っていた

そんな二人にボクは沸々と怒りのようなものを覚えていく



二人で笑い合う姿はいつか幼い頃に見た映像と重なる

あの時も二人は楽しそうに笑っていた



なんだいなんだい雪女なんか!!



ボクは心の中でそう叫ぶと、大きな音を立ててその場から走って逃げていた

逃げた部屋からは

「え?リクオ様?」

て驚いた声が二つ聞こえて来ていた


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